2/13~パラサイト~

久々に映画を見た。久々と言っても2週間ぶりくらいだけど。たまたまこの前アカデミー賞授賞式を家で見てたら、「パラサイト」が取りまくってたから見たくなったんだ。だから今日ふらっと行ってきた。

 

結論から言うとめちゃめちゃに面白かった。

以下ネタバレ注意。

 

 

 

 

「半地下」と呼ばれる恵まれない地帯(住宅?)に暮らす4人家族。息子の友達の紹介で、とある裕福な家庭の英語教師に。そこから芋ずる式で金持ち家族のお付きの人になっていく。前半はテンポが早く、笑える。ところどころのセリフに気が利いてるし、全員がこの一家に寄生する過程に無理がなく、入り込みやすかった。それにしても半地下ーズの機転の利き方はエグいけども。特に妹が有能過ぎてすごい。普通パンツ落とそうと思うかよ。あとポテンシャルありすぎ。英語教えられて車の運転めっちゃ上手くて料理もかなりできるって、一家のスペック奇跡かよ。まぁそこは置いといて、金持ち一家がキャンプに出かけ、半地下ーズは勝手に家で宴会をする。この時、「お前(妹)は金持ちがいたについている」「ここはもう俺の家だ」と宣うところが印象的。後述するけど、この時が一番幸せやったなぁって。解雇された家政婦のおばさん来てからは急展開。「地下」の存在が現れてから、この映画が持つ社会性がガッツリ浮き彫りになる。借金にまみれた存在は、世で暮らすことがままならず、金持ちの家の文字通り「地下」で寄生しながら生きながらえる。えげつなく絶望的な地下の暮らしに比べればそこそこに見える半地下ーズ。しかし、戻ってきた家族の父は、「あの運転手(半地下ーズ父親)は切り干し大根、水晒しにした古着(うろ覚え)の匂いが染み付いている」と語る。階級と切って離せない「匂い」が、半地下の長いくらしの中で彼らに染み付いていた。そう、どれだけ広い豪邸で飲み食いできる環境にあろうと、彼らは「半地下」の住人であり、「上流階級」の住人にはなりえないし、相応しくない、ということを突きつける。

情景描写もすごい。からがら高級宅を抜け出し、土砂降りの中家に戻ると、辺り一体が水没している(半地下だからだ)。そのリアルさは、日本では出せないところだなぁと見てて思った。汚水がふきあれる便所に座ってタバコ吸うシーン、最高にかっこいいな…達観している…。

避難所の体育館で、寝ながら父親は言う。「無計画が最高の計画」だと。この時、もしもビジョンをしっかり立てられていたら…と思わずにいられない。でも、半地下の人達に「将来の設計」なんてことは叶わないのだ。

そしてまた金持ちの家にいく。父親は、「自分」の匂いが煙たがられ事に、少しずつフラストレーションが溜まっていった。思えばあの夜に影で匂いを言われた時からだった。ボンボン息子のパーティーの出し物を手伝わされる。苛立ちは募っていく。いいよな上流階級は。

一方、半地下ーズの息子は、かつて友人に貰った石を手放せずにいた。そのまま導かれるままに地下へ。いやいくなよー!!!!!そのまま地下人間上陸。もうぶっちぎれている地下の人間は無差別殺傷。逃げ惑う金持ち。社長父親が、「車の鍵をよこせ!」と怒鳴る。もみくちゃになった地下人間の血と鍵が混じりあう。汚物を掴むように鍵をひろいあげる。半地下ーズ父親、我慢の限界。ここの目を見るための、2時間だったと言える、臨界を超えた虚無の目線。そして終わりへ。

 

かなり絶望だけど、終わり方は微かな光があった。ノワール映画というらしいが、韓国の社会性で書きやすいのかな。めちゃくちゃハマってた。アカデミー賞も納得。いやー超おもろかったな。

あと、女優美人ばっか。金持ちおかん綺麗すぎ、半地下ーズ妹クールビューティ、そして金持ち娘さいこうにかわいい、1発で撃ち抜かれた。

韓国映画、これから追ってまいります…。

 

今日の1きょく

2/12 BREIMEN「IWBYL」

2/13 挫・人間「一生のお願い」